歯周病は、現在歯を失うNo.1の病気ですが、実は適切な治療を受けることで完治や進行を止めることが可能な病気でもあります。今回は歯周病の治療とは、具体的にどのようなことを行うかについてご紹介します。
歯周病の原因
まず、歯周病の原因ですが、これは歯の周囲に溜まった歯垢(プラーク)と呼ばれるものが直接の原因となります。歯垢は細菌の集合体であり、この中に含まれる歯周病菌が歯茎に炎症を起こし、歯の周囲組織を破壊していきます。
また、歯周病を発症・進行させやすくする要因というのもあります。それは、歯石や糖尿病、喫煙、歯ぎしり・食いしばり、異常な噛み合わせ、合わない詰め物や被せ物、糖分を取りすぎる食習慣、口呼吸、妊娠、ストレスなどです。
歯周病の種類
歯周病は大まかに、歯肉炎と歯周炎とに分けられます。
1.歯肉炎
10代までの子供や20代くらいの若い人に多く見られる歯周病です。歯肉炎では、歯茎が赤く腫れて炎症を起こし、歯磨きをすると出血しやすくなります。骨の破壊はまだ見られません。
2.歯周炎
30代以降に多く見られる歯周病で、歯茎の炎症に加えて骨の破壊が起こります。それに伴い、歯茎の溝が深くなり、歯周ポケットを形成していきます。そしてその部分に歯石や歯垢が溜まり、強い口臭、歯茎が下がる、知覚過敏が出る、歯がグラグラする、といった症状が起こってきます。
歯周病の治療法
■歯肉炎
歯肉炎の段階では、まだ骨の破壊がなく、歯茎の炎症だけなので、歯磨きしっかりと行うだけで治ることも多くあります。ただ、もし歯石がついている場合には、歯科医院で歯石取りを行う必要があります。回数は2回くらいで終わります。
■歯周炎
歯周炎の場合には、深い歯周ポケットができてしまっているので、歯磨きだけだけでは足りず、歯周ポケットの奥までしっかりとクリーニングを行う必要があります。歯周病の進行度合い、歯石のつき方にもよりますが、通常は一連の治療で数回かかります。
歯肉炎にしても、歯周炎にしても、歯垢や歯石はどうしても月日が経つと溜まるので、再発、進行させないためには、定期的な歯科医院でのケアが必要です。
上記の治療の他にも、それぞれの原因に応じて、合わない詰め物・被せ物をやり直す、強い歯ぎしりがある場合には、歯ぎしりから歯を守るマウスピースを装着する、噛み合わせの調整を行う、糖尿病の治療を受ける、できるだけタバコを吸わない、といった治療法や対処も必要になってきます。