歯が痛い・しみる

痛みの種類を知りましょう

痛みの種類によって、さまざまな原因と対処法があります。
歯が痛い、しみるなどのよくある症状を6つのタイプに分類しましたので、受診の参考になさってください。

タイプ1 冷たいものがしみる場合

水や冷たい飲み物・アイスなどを飲食する際や、ブラッシングの時にズキンとした痛みを感じる場合は、象牙質知覚過敏症か虫歯が疑われます。

痛みの原因が知覚過敏の場合
症状…温度、甘味や酸味の強いもの、歯ブラシなどの刺激に対して、歯が痛みを起こします。一過性で、常に痛むわけではありません。
原因:…虫歯菌以外の原因で歯が溶けて、象牙質がむき出しになることで外部刺激が神経に伝わりやすくなることで起こります。主に4つの原因が考えられます。

  1. ストレスや心身症
  2. 歯ぎしり、食いしばりなどによる悪習癖
  3. 加齢によって歯茎が下がること
  4. 歯磨きの際に手先の当て方が強すぎること

は、歯と歯茎の間の境目に対して過度な力や負担がかかり、エナメル質が削られます。その後、象牙質と呼ばれる歯質が出てきて、象牙細管という組織がむき出し(象牙質露出)状態となり、外部の刺激が神経に伝わりやすくなります。
は、歯肉の下にあるセメント質と呼ばれる部分がダメージを受け、象牙質がむき出し状態になることで、刺激に対して過敏になります。

治療方法
表面に知覚過敏用のコーティング材を塗布する、マウスピースを用いて歯を保護するなどの治療法があります。

セルフケアとしてできること

  1.  食事と食事の時間を空ける
    食事と食事の間隔が空いていると、歯の再石灰化が促進されやすくなります。ながら食べや間食を控え、生活スタイルを見直してみましょう。
  2.  歯磨き粉や、歯の磨き方を見直す
    歯磨き粉の選び方も重要です。研磨剤の強いものを避け、フッ素が多いものを使うなど、歯磨き粉の選び方については、スタッフにご相談下さい。歯磨きの際に力を入れ過ぎないようにすることも大切です。

痛みの原因が虫歯の場合
症状…歯がジンジンと痛む
原因…虫歯が大きくなって神経に近くなり、穴が開いて虫歯の細菌が神経まで到達してしまったと考えられます。
治療方法
初期であれば、虫歯の部分を削って詰める処置で治すことができます。虫歯の部分が神経まで到達している場合は治療に少々時間がかかり、神経を取り、根管内を無菌化していく根っこの治療(根管治療)が必要となる場合があります。

象牙質知覚過敏と虫歯は、治療方法が異なりますが、症状が似ているため、患者様ご自身がどちらなのか判断することは難しいです。いずれも放っておいて自然に治ることはありません。初期の治療が肝心ですので、歯科医院にて検査をすることをおすすめします。

タイプ2 治療した後日、歯がしみる・痛くなる場合

症状…治療の数日後に痛みが出る
原因…主に3つの原因があります

  1. 治療した虫歯が大きく、歯の神経に近いところまで進行していた。
    歯科治療などで歯を削るときは、その刺激や熱により神経にダメージを与え、興奮させてしまうことがあります。虫歯が大きいほど、神経までの距離が近いために、敏感になることが多いのです。治療の際は麻酔を使っているので大丈夫でも、帰宅後に歯が痛くなることはどうしても避けることができません。
  2. ブリッジの治療後の痛み
    歯を失った際の治療としてよく行われるブリッジという治療方法。その過程で、ブリッジ受け渡しの支えにするために削った歯がしみるようになってしまうことがあります。
  3. 銀歯の治療後の痛み
    銀歯は金属であるため温度刺激を受けやすく、特に飲食によって痛みを感じることがあります。詰め物をして日が浅いうちは、特に刺激に敏感な状態にあります。

治療方法
いずれの場合も、2~3週間程様子を見てください刺激を受けても平気になり、症状が軽減しているのであれば、一過性の症状ですのでさほど心配ありません。過観察で神経を残せる可能性が高いかと思います。
これに対して、症状が強く出るようであれば神経をとる処置(根菅治療)が必要となります。かみ合わせの調整によって改善することもありますので、相談下さい。

タイプ3 咬んだときに渋い痛み(鈍痛)や違和感がある

症状:虫歯の罹患は無く治療後でもないのに、歯がしみたり、だんだん痛みが強くなる。
原因:主に2つの原因が考えられます。

  1. 歯ぎしりや食いしばりなど、無意識の習慣による歯の欠損
    歯ぎしりや食いしばりが習慣になっていると歯に強い負担がかかり、歯の根っこが膿んだり、ヒビが入ったり、人によっては割れてしまうことがあります。
  2. かみ合わせが悪い。
    全体の咬み合わせや、隣の歯や上下の歯のなど部分的な咬み合わせの悪さが、歯の負担になることがあります。

治療方法
① 歯の破損が原因の場合は、レントゲンによって診察します。歯の破損の大きさや亀裂の方向によってはレントゲンでの判断が難しく、CTにて詳しく診断する必要があります。(当院では歯科用CTを完備しております)
② 咬み合わせが原因であれば、調節(咬合治療)が必要になります。

タイプ4 特別な刺激を受けていなくてもズキズキと強く痛む


症状
…特別な刺激を受けていなくてもズキズキと強く痛む
原因
①虫歯が神経の深さまで達している
②細菌の感染により神経そのものが死んでしまい、根っこの先に膿が溜まっている
治療…どちらのケースも根っこの治療(根菅治療)が必要となり、治療に時間を要すことが多いです。
(刺激や炎症がある場合は、治療後に痛み止め、化膿止めのお薬が効きます。処方させていただきます。)

タイプ5 親知らずが腫れて痛い場合

症状・原因…親知らずが腫れて痛い

治療方法
親知らずの治療法は2通りあります。いずれの治療法にせよ、まずは早めに掛かりつけの歯医者に行くことをおすすめします。

①その日に抜歯する。
この方法のメリットとしては短時間での治療が期待できることです。腫れ、痛みが強いときは、麻酔が利きにくかったり、腫れているときに抜歯をすると、その後の腫れや痛みが出やすくなったりといったデメリットはありますが、仕事などで忙しくなかなか来られない方は、都合がつけやすいことと思います。
③ その日は消炎処置などの応急処置に留めておいて、後日治療する。
この方法のメリットは、痛みや腫れが少ないということです。デメリットとしては、抜歯するまでに腫れや痛みなどの症状が出る可能性があることです。①よりも治療に日数がかかるのも考慮すべき点です。

親知らずは歯の生え方や状況にもよりますが、歯磨きが難しい箇所なので虫歯にもなりやすく、抜歯が必要なケースが多いです。
親知らずに限りませんが、抜く必要のある歯をそのままにしておくと、周囲の歯にも影響を及ぼし、歯並びが悪くなってしまうことも考えられます。膿による口臭も問題となります。

親知らずの周囲が顎の骨で埋まっている場合の治療
親知らずが周囲のあごの骨に埋もれていて抜歯しにくい場合は、外科的処置が必要となります。糖尿病や骨粗しょう症のお薬を服用されている方は、大型の病院の口腔外科での抜歯が必要となります。

タイプ6 矯正治療中でしみる・痛みがある場合

症状…矯正のワイヤーの装着やマウスピースを入れて2,3日後に、違和感や痛みを感じる。(特に食事中)
原因…顎の骨の上を歯が移動し、噛み合わせが変わるため。矯正の目的上、多くの場合は避けられません。

治療方法
痛みは徐々に取れていくので、経過観察をお願いします。治療初期で気になるようでしたら、痛み止めを飲むことをお勧めします。
また矯正治療途中に矯正器具によって口内炎ができる事があります。治療中でも口内炎用の薬をお使いいただけます。

さくらファミリー歯科までお気軽にご相談ください。